学生時代にアルバイトをしていたクリーニング店で、今でも記憶に残っている女性客がいる。年齢は40代後半から50歳前後くらいで、若かった私にはよくわからなかったが、なんとなくけだるい雰囲気を感じる人だった。出しに来る衣類はブランド品も多く、手にしているお財布も有名ブランドだった。安いことで有名なクリーニングチェーン店ではあったがお得意さんで、クリーニングの質が悪くても文句を言わない、良いお客様だと私は思っていた。だが、私より年上の、その女性客と同世代くらいだったと思われるパートさんたちからは、評判が悪かった。

作業の合間にパートさんたちの悪口を聞いたのだが、その女性客の服装が不潔そうだと言うのだ。私が知る限り、その人が不潔ということはなく、持ち込む洗濯物でさえそれほど汚れている物はなかった。彼女自身からもほのかに香水の香りがしていたし、ラフなワンピース姿などでお店に現れたのだが、それが不潔そうだというのだ。いい歳をした女性が胸元が大きく開いたサマードレスを着て、洗濯物とお財布だけを手に持って出かけるなどと、見ていて恥ずかしくなる。乱れた生活を送っていて、料理も作らず自宅も散らかり放題に違いないと噂していた。

何日も洗髪をしていないと一目で分かるほど髪の毛がテカっていたり、2メートルくらい離れていても異臭が漂う人などは、一目で不潔だとわかるが、それは単にお風呂に入っていないからだ。しかし、身だしなみが不潔そうだと判断された女性が与える印象は、表に見えない生活態度まで悪く思われてしまうようだ。それを知ってから私は、自分の身だしなみや所作を前より気にするようになった。